効率性と公正の狭間で 官民連携がはらむ危険な落とし穴 | Forbes...
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効率性と公正の狭間で──官民連携がはらむ危険な落とし穴 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン) ビジネス CEOs 経営・戦略 マーケティング 新規事業 事業継承 サステナビリティ スタートアップ 起業家 国内 海外 VC エコシステム テクノロジー ブロックチェーン AI モビリティ 製品 サービス サイエンス 宇宙 ヘルスケア バイオ 気候・環境 経済・社会 政治 経済 国内 北米 アジア 欧州 その他 マネー マーケット 暗号資産 資産運用 保険 リッチリスト キャリア・教育 キャリア リーダーシップ 働き方 教育 D&I エンタメ・スポーツ 音楽 映画 スポーツ アート・カルチャー アート カルチャー ブック ライフスタイル 暮らし 健康 旅 ファッション 食&酒 車 時計 Forbes Global France Italia India 30 UNDER 30 SMALL GIANTS RISING STAR WOMEN 連載 BRAND VOICE・Paid Program Forbes JAPAN CAREER・Paid Program SALON 最新号のご紹介 お知らせ 会社概要 イベント 広告掲載 採用情報 個人情報保護方針 お問い合わせ (c) linkties Co., Ltd. Under license from Forbes.com LLC™ All rights reserved. トップ ビジネス 経営・戦略 効率性と公正の狭間で──官民連携がはらむ危険な落とし穴 経営・戦略 2026.04.05 17:07 効率性と公正の狭間で──官民連携がはらむ危険な落とし穴 David Niccolini | Contributor 著者フォロー 記事を保存 stock.adobe.com stock.adobe.com David Niccolini はStatCruxの創業者であり、6大陸にわたる約30年の経験を持つセキュリティおよびリスク低減の専門家である。 私たちは「 警察活動の多元化 」を目の当たりにしている。民間企業が、 デジタル監視 から 身体拘束 に至るまで、国家の任務の一部を吸収していくという変化である。 私は企業のリスクマネジメントに約30年携わり、活動の舞台は6大陸に及んできた。常に民間セクターに身を置きながらも、米軍や情報コミュニティ、さらには連邦および州の法執行機関と広範に関わってきた。この潮流を間近で見て、良い面も悪い面も、そして残念ながら醜い面も目にしてきた。 官民連携がスピードと鋭い技術的優位性をもたらすことは否定できない。実際、私の 前回の記事 では、この潮流がいかにしてすべての人の安全を高め得るか、その方法を提言した。 それでも、対処すべき落とし穴がある。効率は、公正の危険な代替指標になり得る。捜査、判断、拘束の権限を利潤追求の主体へ移すことは、社会契約を断裂させる可能性をはらむ。国家の優先事項が企業の優先事項と衝突するとき、人間的な犠牲が生じ得る。 官民連携のリスク ブラックボックス化する捜査 重大なリスクの1つは、テクノロジーへの無批判な追従である。過重な負担を抱える法執行機関は、企業のインテリジェンスを「捜査すべき手がかり」ではなく、「裁判にそのまま使える証拠」として扱ってしまうかもしれない。 例えば、ヒューストンのSunglass Hutでの武装強盗事件(2022年)で、同小売業者の顔認識ソフトウェアが誤って人物を特定したことで逮捕されたHarvey Murphy Jr.の事例がある。犯行時、Murphyはカリフォルニア州サクラメントにいた。拘束中のMurphyは、この壊滅的な誤りが明るみに出て起訴が取り下げられるまでの間に、 性的暴行と暴行を受けた と主張している。 企業のロスプリベンション(損失防止)が、独立した専門的な捜査活動に優先するようになれば、市民的自由はあっという間に失われかねないと私は考える。 知的財産とデュープロセスの均衡 透明性の欠如は法廷にも及んでいる。ウィスコンシン州のある事件では、裁判官が独自のアルゴリズムによるリスクスコアを用い、 被告人の量刑判断を補助した 。弁護側は、企業が数理モデルやスコア算出方法を正確に開示していないことについて、企業秘密を理由にしているとして、アルゴリズムの使用に異議を唱えた。最終的に、ウィスコンシン州最高裁は、そのアルゴリズム使用の維持を 支持した 。 米国憲法修正第6条には「 対質条項 」が含まれており、これは自分に不利な証言をする証人と向き合い、反対尋問する権利である。では「証人」がアルゴリズムだったらどうなるのか。公正には透明性が不可欠である。 インセンティブの不整合 私の見立てでは、インセンティブの不整合が最も極端に現れるのは、民営化された受刑者移送である。 New York Times によれば、民間の移送会社は薄利で運営され、通常は「受刑者1人あたり・1マイルあたり」の料金で支払われるという。 ここから危険なインセンティブ構造が生まれ得る。スピードを最大化し、停車を最小化するのだ。 New York Times の記事は、警備員が被疑者の医療ケアを拒んだり、トイレ休憩や水の提供を制限したり、疲労によって事故を起こしたりしたとの報告があると説明している。 インセンティブの不整合の別の例は、ペンシルベニア州での少年拘禁の民営化に見られる。2003年から2008年にかけて、Mark Ciavarella判事とMichael Conahan判事は、営利目的の民間少年施設の建設者兼共同所有者から、違法な支払いとして約280万ドルを受け取った。見返りとして両名は「多数の子どもが施設に送られることを保証した」ゼロトレランス政策を推し進めたと、 Associated Press が報じた 。 「この仕組みが発覚した後、ペンシルベニア州最高裁は、2300人を超える子どもが関与した約4000件の少年有罪判決の一部を破棄した」とAPは伝えている。複数の被害者は心理的外傷と将来の頓挫を経験したと述べた。悲劇的なことに、影響を受けた若者の多くが自死したケースもある。2022年、連邦判事は、失墜した両裁判官に対し、被害者へ2億ドル超の損害賠償を支払うよう命じ、APによれば、彼らを「史上まれに見る規模のスキャンダルが生んだ悲劇的な人的犠牲」と評した。 ビジネスリーダーのためのガードレール 官民連携、すなわち「安全と治安の共同生産」は今後も続くと私は考える。国家だけでは現代世界の複雑性を乗り越えられない。 では、ビジネスリーダーとして、この進化する現実にどう向き合うべきか。公的部門や法執行機関と接点を持つ場面に限らず、日々の事業運営においてもである。私の推奨は次のとおりだ。 透明性の観点からテックスタックを監査する。 自社が捜査、リスクスコアリング、コンプライアンスにアルゴリズムを用いているなら、潜在的バイアスについて社内レビューを求めるべきだ。ブラックボックス化の可能性を防ぐため、出力に検証可能な人間の推論を含める「説明可能なAI(Explainable AI)」のプロトコルを導入する。 データの来歴を求める。 ビッグデータ提供者は、根拠となる情報源を明かさないまま、行動可能なインテリジェンスを提供することが少なくない。ベンダーに対し、データの系譜を明確に示すよう求め、特定・精査でき、透明性をもって共有できる状態を確保する。 人間的影響の計算をチームに訓練する。 テクノロジーへの過度な依存は批判的思考を損なう。意思決定がもたらす人間的影響を分析に必ず組み込ませる、必須のトレーニングを展開する。 制度的変化を促す。 生成AIは非常に速い勢いで私たち全員に迫っている。それは社会にとって全体として良いのか、それとも悪いのか。業界は、テクノロジーと官民連携を活用して、私たち全員をより安全で安心な状態にする方法を見定めるうえで、主導的役割を担い得る。 結論と次の一手 私はこのテーマに関する最初の2本の記事で、法執行と公共安全をめぐる公的セクターと民間セクターの接近が強まっていることを指摘しようとしてきた。また、その過程で生まれてきた良い面、悪い面、そして醜い面も記録してきた。私の考えでは、この進展を管理するために政府の立法や規制を待つべきではない。むしろ、民間のセキュリティおよびリスク分野が、自らの「文明化の瞬間」と向き合わなければならない。 ( forbes.com 原文 ) 2026年6月号発売中 最新号の購入はこちらから 定期購読のお申し込み 2026年6月号発売中 最新号の購入はこちらから 定期購読のお申し込み 関連記事 M&Aを変革するAI:静かに進む4つの変化 M&A成功の鍵はコミュニケーション──企業価値を守る5つの戦略 銀行が見過ごせない「企業文化の漂流」というリスク HRアウトソーシングの選択肢:PEOとCPEOの比較と選び方 タグ: セキュリティ 透明性 意思決定 裁判 テクノロジー コンプライアンス IP/知的財産 ビッグデータ 思考 FOLLOW US Forbes JAPANの最新のニュースをお届けします advertisement 続きを読むには、会員登録(無料)が必要です 無料会員に登録すると、すべての記事が読み放題。 著者フォローなど便利な機能、限定プレゼントのご案内も! いますぐ登録する 会員の方は ログイン 続きを見る 無料のメールマガジンに登録 無料登録 春の雪、春のシャツ─連載 Forbes JAPAN CIRCLE 30 ポストAI競争の鍵はGXにあり——データセンターから読み解く次世代の企業価値 飲食ビルの新たな収益モデル 共用部を価値化する「D-Scape 神田鍛冶町」の設計思想 〜決断する人のAI〜AI時代の競争優位はどこから生まれるのか――中外製薬が挑む、組織変革としてのAI活用 「効率化」から「経営戦略」へクリニック経営を再定義する「MEDISMA」構想 【20組40名限定】海とともに歩む「パネライ」の真髄を体感できる特別イベント開催 脳科学がクルマを進化させる時代へ――佐藤琢磨×デロイト トーマツが語るニューロテック社会実装の最前線 IT人材不足が招く「守り」の限界をどう突破するか――PagerDutyが挑む「システム運用の属人化」という、日本企業が陥る構造欠陥の打破 「日本の新たな価値」を世界へ。パリから始まるルミネのグローバル戦略 ビジネスでの成功と自信は、快適な靴=コール ハーンから始まる 【5/22開催】社会課題解決ビジネス最前線 シード・アーリー期スタートアップピッチ開催 AI時代に求められるネットワークの大変革 シスコシステ ムズが描く経営の競争基盤としてのセキュアネットワーク Ferrari Tech Talent:フェラーリのCEOが、整備士志望の若者に会いに来た日 〜決断する人のAI〜AIは使い方ではなく「とらえ方」で価値が決まる――ライフサイエンス領域に見るビジネス変革の本質 Microsoft 365 が描く伝統と革新──日本マイクロソフトが仕掛けるブランド戦略の舞台裏 関連記事 2026.04.05 M&Aを変革するAI:静かに進む4つの変化 2026.04.05 M&A成功の鍵はコミュニケーション──企業価値を守る5つの戦略 2026.04.05 銀行が見過ごせない「企業文化の漂流」というリスク 2026.04.05 HRアウトソーシングの選択肢:PEOとCPEOの比較と選び方 人気記事 2026.04.30 無料Gmailに対する「あなたの代償」──2900万円の広告価値を持つGoogleアカウントも 2026.04.30 2026年5月は「満月が2回」 フラワームーンともう1つ、その特徴と観望ガイド 2026.04.29 米ビットコイン準備金で「重要な発表」、ホワイトハウス暗号資産アドバイザーが示唆 2026.04.28 イランの「小型艇狩り」にも投入、米空軍のタフな老攻撃機A-10が当面延命へ 2026.04.24 米海軍が石油タンカーを新たに拿捕、イランは「通行料の着金」を発表 もっと見る 効率性と公正の狭間で──官民連携がはらむ危険な落とし穴 RECOMMEND Close