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デュアルユース技術とは何か、そしてそれがもたらす問題とは?――注目の新刊から「はじめに」を全文公開|大庭弘継

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分析結果

カテゴリ
地政学
重要度
77
トレンドスコア
41
要約
デュアルユース技術とは何か、そしてそれがもたらす問題とは?――注目の新刊から「はじめに」を全文公開|大庭弘継|光文社新書 デュアルユース技術とは何か、そしてそれがもたらす問題とは?――注目の新刊から「はじめに」を全文公開|大庭弘継 22 光文社新書 2026年3月18日 11:30 命を守る技術…… 命を奪う技術…… 「デュアルユース技術」とは、軍事と民生のいずれにも利用できる技術である。そして、その両用性を問題視するのが「デュアルユー
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デュアルユース技術とは何か、そしてそれがもたらす問題とは?――注目の新刊から「はじめに」を全文公開|大庭弘継|光文社新書 デュアルユース技術とは何か、そしてそれがもたらす問題とは?――注目の新刊から「はじめに」を全文公開|大庭弘継 22 光文社新書 2026年3月18日 11:30 命を守る技術…… 命を奪う技術…… 「デュアルユース技術」とは、軍事と民生のいずれにも利用できる技術である。そして、その両用性を問題視するのが「デュアルユース問題」である。宇宙、バイオ、サイバー、AI、ロボット、ドローン、パソコン、ゲーム機、乗用車、etc.……広範な領域にまたがる恩恵と危害、その現状と、苦悩とは――。 新刊『 軍民両用化する技術――「デュアルユース問題」とは何か? 』 (大庭弘継著)から、「はじめに」を特別公開する。 軍民両用化する技術 「デュアルユース問題」とは何か? (光文社新書) www.amazon.co.jp 1,210 円 (2026年03月17日 15:02時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する はじめに デュアルユース技術 とは、軍事目的と民生目的のいずれにも利用できる技術を指します。そして、そのいずれにも利用されてしまう状況を問題視するのが デュアルユース問題 です。 このデュアルユース技術/問題にすごく興味がある、という人は少ないと思います。そんなに関心がないけれど、それでも本書を手に取ったあなたはどういう人でしょうか? 日々のニュースで、 宇宙、バイオ、サイバー、AI、ドローンといった先端技術 の記事に添えられて、 デュアルユース という言葉が掲載されています。そこで感じた違和感が心に残り、本書を手に取ったのかもしれません。あるいは、目ざといビジネスパーソンとして、話題のデュアルユースを深く学ぶためかもしれません。また、デュアルユースという言葉をはじめて目にしたという理由から、あえて手に取った学生かもしれません。全くの偶然で本書と出会ったという方もいるでしょう。 ひょっとしたら、筆者と同業者で、このデュアルユース問題に巻き込まれたがために、本書を手に取ったという研究者もいるかもしれません。最先端分野の研究者であり、関心はないけど、 「おまえの研究はデュアルユースだから問題だ!」 という重圧を何とかしたいと願っている方かもしれません。 私自身は、このデュアルユース問題に、否応なく巻き込まれた研究者です。 多くの研究者は、好きなことを仕事にし、自身の興味・関心に従って研究を進めています。しかし、2016年頃から、研究の軍事転用問題、すなわちデュアルユース問題が学術界(アカデミア)に浮上しました。かなり意訳すると、「あなたの研究は軍事転用できますか?」という問いかけであり、暗に「軍事転用できる研究はやめましょう」という圧力でした。多くの研究者は、そんな問題に関心がなく、軍事にも安全保障にも興味ありません。 そこで、元自衛官という経歴を持ち、哲学・倫理学に籍を置いていた、安全保障研究者である私に、このデュアルユース問題が持ち込まれることになりました。もともと私自身はデュアルユース問題に関心はなく、ですが非常に面倒な問題だと理解していました。率直にいって、これは私にとって「押しつけられた」テーマでした。本当に面倒くさいのです。 このデュアルユース問題は、本当に面倒なテーマです。大きく 3つの理由 があります。 第一に 、理工学の全分野を舞台とし、一部の人文社会科学までをも包含する、その対象領域の広大さです。 第二に 、何がどう転用されるか予測が困難であるという、デュアルユースの変幻自在な性質です。 そして第三に 、日本の学術界(アカデミア)に深く根差している軍事アレルギーです。軍事という言葉を口にした瞬間、アカデミアでは議論が進まなくなりがちです。多くの研究者は、自分の研究が軍事に関連するというレッテルを貼られることを極度に警戒します。その忌避感から、この問題に深く関わりたくないと考えています。 そういうわけで、もともと〝軍事系〟というレッテルを貼られていた私に、デュアルユース問題のお鉢が回ってきたわけです。 いやいやながら始めた研究ではありましたが、進めるうちに、いろいろと気がつくことがありました。そもそもこのデュアルユース問題を、軍事に限定させて考えるべきではない、と。というのも バイオテクノロジー分野では、軍事に関係なく、善意で進めた研究が意図せざる危険な成果を生み出す状況を、デュアルユース問題と呼んでいました。 さらに 様々な理工学分野を調査すると、かなりの先端技術が、この善悪両用性を持つデュアルユース問題に該当する ことに気がつきました。 そこで、 本書では、軍事の関与がなかったとしても、危険な兵器に転用され悪用される事態も含めてデュアルユース問題として取り上げています 。もっとも、その扱いは一様ではなく、多少は毛色の異なる話題も含まれておりますこと、ご了承ください。 さて、現代社会において、科学技術は驚くべき速さで進展しています。その恩恵は計り知れない一方で、私たちは変化の速さと激しさに不安を抱えています。かつてSFの世界で描かれた想像が現実となる中で、その光と影の際立つ落差にめまいを覚えます。 たとえば、ロケットは宇宙開発の夢を運ぶ一方で、弾道ミサイルにもなります。バイオテクノロジーは病気の治療に貢献する一方で、生物兵器の脅威もはらんでいます。ロボットは、『ドラえもん』で夢見た未来技術の象徴ですが、AIを搭載したロボット兵器にもなり得るのです。 本書は、こうした「デュアルユース技術」と、それがもたらす「問題」を扱います。 ここでの「問題」とは、技術が兵器へ転用されてしまうこと、あるいは軍隊が関与しなくても兵器化される可能性があることを意味します。私たちは、技術がもたらす恩恵だけを期待しがちですが、実際には危害も生み出すのです。 本書は、恩恵と危害をもたらす科学技術の具体例を提示します。 このデュアルユース問題に対して、どうするべきか悩ましいという苦悩を皆さんに共有させていただきます。 読み終えたあと、知識習得の満足や明確な納得ではなく、むしろこれまで意識しなかった、あるいは目を向けようとしなかった、しこりのようなモヤモヤが心に残るかもしれません。しかし、 そのモヤモヤこそが、思考を深め、この問題と向き合う第一歩となると考えています。 この偶然の出会いが、読者の新たな気づきとなることを願っています。 ・・・・・・・・・・ 目 次 はじめに 序 章 科学技術の功罪? (1)デュアルユース問題とは 一般的なデュアルユース技術/軍民デュアルユース問題/善悪デュアルユース問題/兵器というキーワード (2)SFが技術を産み出す リアリティの欠落という問題/未来は予測できるか?/予言の破綻/空想の成就/SFは現実化する (3)本書の目的と構成 本書の目的/本書の構成 第1章 宇宙技術 (1)宇宙技術の恩恵 軍事能力の誇示としての宇宙開発/GPS――米国の軍事システム/米国の敵対国も利用するGPS/GPSの停止がもたらす打撃は大災害レベル/衛星リモートセンシング(代表例「ひまわり」)――起源は偵察衛星/通信衛星――スペースXのスターリンクが戦況を左右 (2)軍事利用 宇宙軍と宇宙兵器/デブリの脅威/兵器実験によるデブリ増加 (3)誤用・悪用 人工衛星の民主化/宇宙資源ビジネス/宇宙構造物/軍事利用・テロ転用/宇宙兵器の不可避な配備 第2章 バイオテクノロジー (1)バイオテクノロジーの恩恵 バイオ技術の急速な進展と拡散/ゲノム編集の進展/クリスパーによる難病治療/遺伝子ドライブ (2)細菌やウイルスの軍事利用 生物兵器/ウイルスの脅威/「規制」対「自由」――鳥インフル改変実験の論文差し止め事件/BSL(バイオセーフティレベル)と研究施設 (3)生物テロの脅威 公的機関の警戒/机上シミュレーション/標的型生物兵器/DIYバイオ/生物兵器の民主化 第3章 サイバー技術 (1)軍事システムとしての源流 サイバー技術の利便性/インターネットの源流 (2)現代のハッキング ハッキング・マルウェアの登場と社会問題化/クリーパーのスクリーンショット/ハッキングとマルウェアの種類/アプリの危険性/踏み台にされる家庭の電子機器/国家レベルでのアプリの悪用 (3)監視、抜け穴、ダークウェブ SNSの言論統制/監視をすり抜ける技術/ダークウェブ/サイバー攻撃のアズ・ア・サービス化 (4)サイバー戦争の実践 国家によるサイバー攻撃/スタックスネット(Stuxnet)/ウクライナ戦争とサイバー/ウクライナIT軍のホームページ/サイバー兵器のオープンソース化/障壁の消失 第4章 AI (1)AIとは何か? 急速に進化するAI技術/AIとは何か?/AIの民主化 (2)AIリスク バイアスの問題/自己決定の侵害/ディープフェイクと誤情報の拡散 (3)AIの悪用 犯罪者の摘発、独裁国家による弾圧/毒物生成への悪用/テロ計画の立案 (4)シンギュラリティ シンギュラリティとは/ディストピア/AI研究を停止できるか? 第5章 ロボット・ドローン (1)ロボットの普及 ロボットのイメージ/サービス用ロボットの普及/産業用ロボット市場の拡大 (2)ドローンの軍事利用 ラジコンの軍事利用/無人機(UAV)の登場/無人機の倫理的負荷/ドローンの拡散/ウクライナのドローン活用 (3)自律型兵器へ 徘徊型兵器/スウォーム(群飛行)/ロボットの自律性への懸念/人間対AI/市街戦でのロボット兵器?/ロボットの暴走の可能性 第6章 その他の技術 (1)枯れた技術の活用 自作銃/旧式パソコンやゲーム機/携帯電話/むつ鉄 (2)汎用品の軍事化 OS/3Dプリンター/乗用車/ゲーム (3)量子技術の到来 量子コンピューター/量子ゲート方式/耐量子計算機暗号/量子通信/量子アニーリング方式 第7章 関連動向 (1)日本における動向 アカデミアにおける反軍事傾向/高コスト体質の自衛隊/日本における〝デュアルユース〟の政策化/防衛装備庁「安全保障技術研究推進制度」の開始/学術会議「軍事的安全保障研究に関する声明」の内容/声明の問題点/軍事研究騒動以後 (2)安全保障貿易管理 4つのレジーム/日本における運用/「必要最小限」の規制/経済制裁としての規制/安全保障貿易管理の諸問題 (3)中国の軍民融合 国家戦略としてのデュアルユース技術推進/中国人技術者の活躍と技術窃取 終 章 考察 (1)選択における右往左往 精霊の寓話/プロスペクト理論 (2)傍観から選択へ 賜物という選択/「すべき」が「できる」を創り出す/環境改変兵器禁止条約 (3)可能と不可能、その区別をつける知恵 おわりに 軍民両用化する技術 「デュアルユース問題」とは何か? (光文社新書) www.amazon.co.jp 1,210 円 (2026年03月17日 15:02時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する 著者プロフィール 大庭弘継(おおばひろつぐ) 1975年生まれ、福岡県出身。立教大学大学院人工知能科学研究科・特任教授。専門は国際政治学、応用哲学・倫理学、知能情報学。京都大学経済学部中退。元海上自衛官(1等海尉)。博士(九州大学、比較社会文化)。南山大学社会倫理研究所講師、京都大学大学院文学研究科研究員などを経て現職。共編著に『国際政治のモラル・アポリア――戦争/平和と揺らぐ倫理』(ナカニシヤ出版)、『パンデミックを考える――その危険性と不確実性をめぐる政治・社会・倫理』(南山大学社会倫理研究所)、『資料で読み解く「保護する責任」――関連文書の抄訳と解説』(大阪大学出版会)、『軍事研究を哲学する――科学技術とデュアルユース』(昭和堂)など。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 光文社新書『 軍民両用化する技術――「デュアルユース問題」とは何か? 』(大庭弘継著) は、全国の書店、オンライン書店にて好評発売中です。電子版もあります。 軍民両用化する技術 「デュアルユース問題」とは何か? 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