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事業価値とは?企業価値や株式価値との違いと評価方法を解説

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分析結果

カテゴリ
経済
重要度
75
トレンドスコア
39
要約
事業価値とは?企業価値や株式価値との違いと評価方法を解説 事業価値とは?企業価値や株式価値との違いと評価方法を解説 更新日: 2025年11月4日 掲載内容にはプロモーションを含み、提携企業・広告主などから成果報酬を受け取る場合があります 企業のM&A(合併・買収)や資金調達、事業承継などの場面で、「事業価値」「企業価値」「株式価値」といった言葉を耳にする機会は少なくありません。これらの言葉は似ているようで、それぞれ異なる意味を持ち、正
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事業価値とは?企業価値や株式価値との違いと評価方法を解説 事業価値とは?企業価値や株式価値との違いと評価方法を解説 更新日: 2025年11月4日 掲載内容にはプロモーションを含み、提携企業・広告主などから成果報酬を受け取る場合があります 企業のM&A(合併・買収)や資金調達、事業承継などの場面で、「事業価値」「企業価値」「株式価値」といった言葉を耳にする機会は少なくありません。これらの言葉は似ているようで、それぞれ異なる意味を持ち、正しく理解することが適切な経営判断には不可欠です。 特に 事業価値 は、企業がその本業からどれだけの価値を生み出す能力があるかを示す中核的な指標であり、企業の将来性や収益力を評価する上で極めて重要です。しかし、その概念や評価方法は複雑で、専門家でなければ理解が難しいと感じる方も多いでしょう。 この記事では、M&Aや企業経営の担当者、あるいは自社の価値を知りたい経営者の方に向けて、以下の点を網羅的に解説します。 事業価値の基本的な概念 事業価値と企業価値、株式価値の明確な違いと相互関係 代表的な事業価値の評価方法(インカムアプローチ、コストアプローチ、マーケットアプローチ) 具体的な計算方法のステップバイステップ解説 事業価値を継続的に高めていくための具体的な戦略 この記事を最後までお読みいただくことで、事業価値に関する全体像を体系的に理解し、自社の価値評価や経営戦略の策定、M&Aの交渉などに自信を持って臨めるようになることを目指します。 事業課題でお困りなら、ご相談・資料DLから 戦略コンサル出身者・AIエンジニア・リサーチャーが、課題に応じてチームを組成し、上流から実装・定着まで伴走します 市場調査・新規事業の検討 戦略策定・実行支援 業務オペレーションの効率化・自動化 AI・DX 推進 30分の無料相談 → サービス資料 DL → 目次 1 事業価値とは 2 事業価値・企業価値・株式価値の違いと関係性 3 事業価値の評価方法 4 事業価値の具体的な計算方法 5 事業価値を高めるための3つの方法 6 M&Aにおける事業価値の重要性 7 まとめ 事業価値とは 事業価値(Enterprise Value / EV)とは、企業がその中心となる事業活動から将来にわたって生み出すと期待されるキャッシュフローの現在価値の合計 を指します。簡単に言えば、「その会社の本業が稼ぎ出す力」を金額で表したものです。 この事業価値は、企業の貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)に記載されている過去の数値だけを見て算出されるものではありません。むしろ、 将来にわたる収益性、成長性、そしてそれに伴うリスクなどを総合的に加味して評価される「未来志向の価値」 である点が最大の特徴です。 事業価値を構成する要素は多岐にわたります。 収益性 : 現在および将来の事業がどれだけ安定して利益を生み出せるか。 成長性 : 市場の拡大、新製品・サービスの開発、販路拡大などにより、将来的に事業がどれだけ成長する見込みがあるか。 資産 : 事業活動に直接使用される有形固定資産(工場、機械など)や運転資本(売掛金、棚卸資産など)。 無形資産 : ブランド力、顧客基盤、特許、技術ノウハウ、優秀な人材など、貸借対照表には直接計上されないものの、収益を生み出す源泉となる価値。 例えば、老舗の和菓子屋を考えてみましょう。店舗や厨房設備といった有形資産はもちろん価値の一部です。しかし、それ以上に「長年受け継がれてきた秘伝のレシピ」「地域住民からの厚い信頼というブランドイメージ」「腕利きの職人の技術」といった無形資産が、将来にわたって顧客を引きつけ、収益を生み出す原動力となります。事業価値評価では、こうした目に見えない価値もキャッシュフローという形で評価に織り込んでいきます。 なぜ事業価値の理解が重要なのか? 事業価値は、主に以下のような場面で極めて重要な指標となります。 M&A(合併・買収) : 買い手は、対象企業の事業価値を算定し、買収価格の妥当性を判断します。売り手は、自社の事業価値を把握することで、交渉の基準価格を設定し、有利な条件での売却を目指します。事業価値は、M&Aにおける価格交渉のまさに土台となるのです。 資金調達 : 金融機関や投資家は、企業の事業価値を評価することで、その企業の将来性や返済能力を判断し、融資や投資の可否を決定します。高い事業価値を示すことができれば、より有利な条件での資金調達が可能になります。 経営戦略の策定 : 経営者は、自社の事業価値を定期的に評価することで、どの事業が価値創造に貢献しているのか、あるいはどの部分が課題なのかを客観的に把握できます。これにより、リソースの最適な配分や、事業の選択と集中といった戦略的な意思決定が可能になります。 事業承継 : 後継者へ事業を引き継ぐ際、事業価値を算定することで、相続税評価や株式の譲渡価格を決定するための基礎情報となります。 このように、事業価値は単なる計算上の数値ではなく、 企業の将来性や競争力を示す羅針盤であり、様々な経営判断の根幹をなす重要な経営指標 と言えるでしょう。決算書の数値だけでは見えてこない「企業の真の稼ぐ力」を理解するために、事業価値の概念は不可欠なのです。 ▼もっと詳しく知りたい方へ ※関連記事: 企業価値とは?計算方法や時価総額との違い高める方法まで解説 事業課題でお困りなら、ご相談・資料DLから 戦略コンサル出身者・AIエンジニア・リサーチャーが、課題に応じてチームを組成し、上流から実装・定着まで伴走します 市場調査・新規事業の検討 戦略策定・実行支援 業務オペレーションの効率化・自動化 AI・DX 推進 30分の無料相談 → サービス資料 DL → 事業価値・企業価値・株式価値の違いと関係性 企業の価値を語る際、「事業価値」「企業価値」「株式価値」という3つの言葉が頻繁に登場します。これらは密接に関連していますが、その定義と評価の対象範囲は明確に異なります。この違いを正確に理解することは、M&Aやファイナンスの世界では基本中の基本です。 まず、3つの価値の概要と関係性を以下の表にまとめます。 価値の名称 概要 評価の対象 計算式のイメージ 事業価値 (Enterprise Value) 企業の本業が生み出す価値。 事業活動に関連する資産・負債(運転資本、有形固定資産など) 将来のフリーキャッシュフローの現在価値合計 企業価値 (Corporate Value) 会社全体の価値。 全ての資産・負債(事業用資産+非事業用資産) 事業価値 + 非事業用資産価値 株式価値 (Shareholder Value / Equity Value) 株主に帰属する価値。 企業価値から債権者(銀行など)の分を差し引いたもの 企業価値 - 有利子負債など この表からも分かるように、3つの価値は包含関係にあり、事業価値が全ての価値の出発点となります。以下で、それぞれの価値について詳しく解説し、その関係性を明らかにしていきます。 企業価値とは 企業価値(Corporate Value)とは、その名の通り「企業全体の価値」 を指します。これは、企業が将来にわたって生み出すキャッシュフローの総額を現在価値に換算したものであり、株主だけでなく、銀行などの債権者を含むすべての資金提供者にとっての価値の合計を示します。 企業価値は、先ほど説明した「事業価値」をベースに、事業活動とは直接関係のない「非事業用資産」の価値を加えて算出されます。 企業価値 = 事業価値 + 非事業用資産の価値 ここで言う 非事業用資産 とは、本業の運営には直接必要ないものの、企業が保有している資産のことです。具体的には、以下のようなものが挙げられます。 余剰現金・預金 : 事業運営に必要な最低限の現預金(運転資金)を超える部分。 投資有価証券 : 他社の株式や債券など、事業目的ではなく投資目的で保有している金融資産。 遊休不動産 : 事業に使われていない土地や建物。 貸付金 : 取引先や子会社などへの貸付金。 保険積立金 : 解約返戻金のある生命保険など。 例えば、ある製造業の会社が、工場の隣にある広大な土地を将来の拡張用として保有しているものの、現在は駐車場として貸し出しているだけだとします。この土地は、現在の製造業という本業には直接貢献していませんが、それ自体に資産価値があります。この土地の価値(時価)が非事業用資産として、本業の稼ぐ力(事業価値)にプラスされ、企業価値が算出されるのです。 つまり、 企業価値は「本業の稼ぐ力(事業価値)」と「本業以外の資産(非事業用資産)」を合算した、会社全体のトータルな価値 と理解することができます。 株式価値とは 株式価値(Shareholder Value / Equity Value)とは、企業価値の中から、最終的に株主のものとなる価値 を指します。株主価値とも呼ばれ、上場企業の場合は「時価総額」がこれに相当します。 企業価値は、株主と債権者(銀行など)の両方に帰属する価値の合計でした。そこから、債権者に帰属する価値、つまり返済義務のある負債などを差し引いた残りが、株主の取り分である株式価値となります。 株式価値 = 企業価値 – 有利子負債など(ネットデット) ここで言う 有利子負債など(ネットデット) とは、一般的に企業の有利子負債(銀行からの借入金や社債など)から、非事業用資産である現預金を差し引いたものを指します。なぜ現預金を差し引くかというと、有利子負債はいつでも現預金で返済可能と考えられるため、純粋な負債額(ネットデット)を考慮するためです。 先ほどの製造業の例で考えてみましょう。 この会社の企業価値が10億円だと算出されたとします。しかし、この会社は工場の設備投資のために銀行から3億円の借入金(有利子負債)があるとします。この3億円は、会社の資産を使って将来返済しなければならないお金であり、株主のものではありません。したがって、株主の取り分である株式価値は、企業価値10億円から有利子負債3億円を差し引いた7億円となります。 M&Aにおいて、最終的な買収価格の基準となるのは、この株式価値 です。買い手は、対象企業の株式を取得することで経営権を得るため、株主に対して支払う対価、すなわち株式価値がいくらになるのかが最も重要な関心事となるのです。 3つの価値の関係性を表す計算式 これまで説明した3つの価値の関係性を、一連の計算式で整理すると以下のようになります。 事業価値を算出する これは、後述するDCF法などの評価アプローチを用いて、企業の将来の収益力から計算します。 事業価値 = 将来生み出すフリーキャッシュフローの現在価値の合計 事業価値から企業価値を算出する 事業価値に、本業以外で保有する資産の価値を加えます。 企業価値 = 事業価値 + 非事業用資産(余剰現金、投資有価証券など)の価値 企業価値から株式価値を算出する 企業全体の価値から、他人資本である負債を差し引きます。 株式価値 = 企業価値 - 有利子負債など(ネットデット) この一連の流れを図でイメージすると、大きな箱(企業価値)があり、その大部分を占めるのが「事業価値」のブロック、そして隅に「非事業用資産」の小さなブロックが乗っている状態です。そして、その大きな箱(企業価値)から、「有利子負債」というブロックを取り除いた残りが、「株式価値」というブロックになる、と考えると分かりやすいでしょう。 この3つの価値の関係性を理解する上で重要なポイントは、すべての価値の源泉は「事業価値」にある ということです。非事業用資産を売却したり、借入を増やしたりしても、それは価値の構成が変わるだけで、企業の本質的な価値創造能力が高まるわけではありません。 企業の価値を継続的に向上させていくためには、 中核となる事業の収益力や成長性を高め、事業価値そのものを大きくしていくことが最も重要 なのです。次の章では、この事業価値をどのように評価するのか、具体的な方法について詳しく見ていきます。 事業課題でお困りなら、ご相談・資料DLから 戦略コンサル出身者・AIエンジニア・リサーチャーが、課題に応じてチームを組成し、上流から実装・定着まで伴走します 市場調査・新規事業の検討 戦略策定・実行支援 業務オペレーションの効率化・自動化 AI・DX 推進 30分の無料相談 → サービス資料 DL → 事業価値の評価方法 事業価値を算出するための評価方法(バリュエーション)には、様々なアプローチが存在します。どの方法を選択するかは、評価対象となる企業の特性(業種、成長ステージ、上場の有無など)や、評価の目的によって異なります。 事業価値の評価方法は、大きく分けて以下の3つのアプローチに分類されます。 アプローチ 概要 メリット デメリット 主な評価手法 インカムアプローチ 企業が将来生み出すと期待される収益やキャッシュフローを基に価値を評価する方法。 ・企業の将来性や成長性を評価に反映できる ・事業の独自性や無形資産を価値に織り込める ・将来予測の客観性を担保するのが難しい ・事業計画の精度に結果が大きく依存する DCF法、収益還元法、配当還元法 コストアプローチ (ネットアセットアプローチ) 企業の貸借対照表(B/S)上の純資産を基に価値を評価する方法。 ・客観的な帳簿価額を基にするため、算出が容易で客観性が高い ・清算価値を把握するのに適している ・企業の将来の収益力を評価に反映できない ・ブランドや技術力などの無形資産が評価されない 簿価純資産法、時価純資産法 マーケットアプローチ 株式市場やM&A市場における類似企業や類似取引の価格を基に、相対的に価値を評価する方法。 ・市場の客観的な評価を反映できる ・比較的容易に評価額を算出できる ・完全に類似した企業や取引を見つけるのが困難 ・市場の状況(過熱・低迷)に評価額が左右される 市場株価法、類似会社比較法(マルチプル法)、類似取引比較法 実務上は、 いずれか一つの方法だけで評価するのではなく、複数のアプローチを組み合わせて多角的に分析し、それぞれの結果を比較検討することで、より精度の高い事業価値を算出するのが一般的 です。それでは、各アプローチの代表的な評価手法について、詳しく見ていきましょう。 インカムアプローチ インカムアプローチは、 「企業の価値は、その企業が将来にわたって生み出す収益(インカム)によって決まる」 という考え方に基づいています。企業の将来性や成長性、ブランド価値といった無形資産を評価に織り込めるため、特に成長企業やM&Aの場面で最も重視されるアプローチです。 DCF法 DCF法(Discounted Cash Flow法)は、インカムアプローチの中で最も理論的かつ代表的な評価手法 です。 その計算ロジックは、企業が将来にわたって生み出すと予測される フリーキャッシュフロー(FCF) を、そのキャッシュフローのリスクを反映した 割引率(WACC) を用いて現在価値に割り引き、それらを合計することで事業価値を算出するというものです。 フリーキャッシュフロー(FCF) : 企業が事業活動から生み出した現金のうち、事業を維持・成長させるための投資を差し引いた後、自由に使える現金のことを指します。株主や債権者に分配可能なキャッシュフローであり、企業の真の稼ぐ力を示す指標です。 割引率(WACC) : 将来のキャッシュフローを現在価値に換算するための利率です。株主が期待するリターン(株主資本コスト)と、債権者が期待するリターン(負債コスト)を、それぞれの資本構成比で加重平均して算出します。事業のリスクが高いほど、割引率は高くなります。 DCF法は、詳細な事業計画に基づいて将来のキャッシュフローを予測するため、 企業の個別の状況や将来の成長性を評価に色濃く反映できる という大きなメリットがあります。一方で、その計算は複雑であり、将来予測や割引率の設定に主観が入りやすく、前提条件が少し変わるだけで評価額が大きく変動するというデメリットもあります。 ▼もっと詳しく知りたい方へ ※関連記事: DCF法とは?計算方法と企業価値評価での使い方をわかりやすく解説 収益還元法 収益還元法は、 企業が将来にわたって安定的に同程度の利益(またはキャッシュフロー)を生み出し続けるという前提 のもと、事業価値を評価する方法です。 計算式は非常にシンプルで、代表的な一期間の利益(例えば、過去数年間の平均税引後利益など)を、 資本還元率 で割ることで事業価値を算出します。 事業価値 = 平均的な収益 ÷ 資本還元率 資本還元率は、投資家がその事業に期待するリターン(割引率に近い概念)を指します。DCF法のように将来のキャッシュフローを毎年予測する必要がないため、計算が容易であるというメリットがあります。この手法は、成熟産業に属し、収益が安定している企業の簡易的な評価などに用いられます。しかし、将来の成長性を評価に織り込むことが難しいため、成長企業や事業環境の変化が激しい企業の評価には不向きです。 配当還元法 配当還元法は、 株主が受け取る将来の配当金の総額を現在価値に割り引くことで、株式価値を評価する 方法です。事業価値を直接評価するものではありませんが、インカムアプローチの一種として分類されます。 株式価値 = 将来の1株あたり配当金 ÷ 株主資本コスト(株主が期待するリターン) この方法は、配当を安定的に行っている企業の評価や、非上場企業の相続税評価などで利用されることがあります。ただし、配当政策は企業の裁量で変更されるため、必ずしも企業の収益力を正確に反映しているとは限らない点や、内部留保されて再投資される資金の価値を評価できない点に注意が必要です。 コストアプローチ(ネットアセットアプローチ) コストアプローチは、 企業の貸借対照表(B/S)に計上されている純資産(資産から負債を差し引いた額)を基に企業価値を評価 する方法です。ネットアセットアプローチとも呼ばれます。過去の実績に基づいた客観的な数値をベースにするため、評価の客観性が高いのが特徴です。 簿価純資産法 簿価純資産法は、 貸借対照表に記載されている帳簿上の資産総額から負債総額を差し引いて、そのまま純資産額を企業価値(株式価値)とする最もシンプルな方法 です。 株式価値 = 帳簿上の総資産 – 帳簿上の総負債 計算が非常に簡単で、誰が計算しても同じ結果になるという高い客観性がメリットです。しかし、帳簿上の価額は資産を取得した時点の価格(取得原価)であり、現在の時価を反映していません。特に、不動産や有価証券などは時価と簿価が大きく乖離していることが多く、企業の本当の価値を正しく評価できないという大きなデメリットがあります。 時価純資産法 時価純資産法は、簿価純資産法の欠点を補うために、 貸借対照表のすべての資産と負債を現在の時価に評価し直してから、純資産を算出する方法 です。 株式価値 = 時価評価した総資産 – 時価評価した総負債 例えば、土地や建物は不動産鑑定士による評価額に、売掛金は回収可能性を考慮した評価額に、在庫は陳腐化を考慮した評価額にそれぞれ修正します。これにより、簿価純資産法よりも企業の実態に近い価値を算出できます。この方法は、企業の清算価値(会社を解散した場合に手元に残る価値)を評価する際などに特に有効です。 ただし、コストアプローチ全般の限界として、 ブランド力、技術力、顧客基盤といった貸借対照表に載らない無形資産(のれん)や、将来の収益力を全く評価に反映できない という根本的な課題があります。 マーケットアプローチ マーケットアプローチは、 株式市場やM&A市場といった「市場」での評価を拠り所として、相対的に事業価値を評価する 方法です。評価対象企業と類似する上場企業や、過去に行われた類似のM&A取引と比較することで、客観的な価値を導き出します。 市場株価法 市場株価法は、 評価対象企業が上場している場合にのみ適用できる、最もシンプルな方法 です。 株式価値(時価総額) = 株価 × 発行済株式総数 市場で日々形成される株価を基準にするため、客観性と速報性が非常に高いのが特徴です。ただし、株価は市場のセンチメントや一時的なニュースなど、必ずしも企業の本質的な価値とは関係ない要因で大きく変動する可能性があります。そのため、一定期間の平均株価を用いるなど、短期的な変動の影響を排除する工夫が必要です。 類似会社比較法(マルチプル法) 類似会社比較法は、 評価対象企業と事業内容、規模、成長性などが類似する上場企業を複数選定し、それらの企業の株価指標(マルチプル)を参考に、相対的に事業価値を評価する 手法です。マルチプル法とも呼ばれ、実務で非常に頻繁に用いられます。 代表的なマルチプルには以下のようなものがあります。 EV/EBITDA倍率 : 事業価値(EV)が、税引前利益に支払利息と減価償却費を加えた簡易的なキャッシュフロー(EBITDA)の何倍かを示す指標。M&Aで最もよく使われます。 PER(株価収益率) : 株価が、1株あたりの当期純利益(EPS)の何倍かを示す指標。 PBR(株価純資産倍率) : 株価が、1株あたりの純資産(BPS)の何倍かを示す指標。 計算手順としては、まず類似上場企業のEV/EBITDA倍率などを算出し、その平均値や中央値を求めます。次に、その倍率を評価対象企業のEBITDAに乗じることで、事業価値を算出します。 事業価値 = 評価対象企業のEBITDA × 類似企業のEV/EBITDA倍率 この方法は、市場の評価という客観的なモノサシを用いるため説得力があり、比較的簡単に計算できるのがメリットです。一方で、 評価対象企業と完全に一致する「類似企業」を見つけることは困難 であり、どの企業を類似企業として選定するかによって評価額が大きく変わってしまうという課題があります。 ▼もっと詳しく知りたい方へ ※関連記事: マルチプル法とは 企業価値評価の計算方法をわかりやすく解説 類似取引比較法 類似取引比較法は、 過去に行われたM&Aの中から、評価対象企業と類似する企業のM&A事例を探し、その際の取引価格(買収価格)を基に事業価値を評価する 方法です。 例えば、過去の類似M&A案件で、買収価格が対象企業のEBITDAの8倍だったという事例があれば、それを参考に評価対象企業の事業価値を「EBITDA × 8倍」と推定します。 この方法は、実際のM&A取引という「現実の価格」を基にするため、非常に説得力があります。しかし、 非公開情報も多いM&Aの取引詳細や、比較可能で十分な数の類似取引事例を見つけることが非常に難しい という大きなデメリットがあり、適用できる場面は限定的です。 事業課題でお困りなら、ご相談・資料DLから 戦略コンサル出身者・AIエンジニア・リサーチャーが、課題に応じてチームを組成し、上流から実装・定着まで伴走します 市場調査・新規事業の検討 戦略策定・実行支援 業務オペレーションの効率化・自動化 AI・DX 推進 30分の無料相談 → サービス資料 DL → 事業価値の具体的な計算方法 前章では、事業価値を評価するための3つのアプローチと、それぞれの代表的な手法を解説しました。ここでは、その中でも特に実務で頻繁に用いられる 「DCF法」 と 「マルチプル法」 について、具体的な計算手順を架空の企業を例に挙げて、より詳しく見ていきましょう。 DCF法による計算 DCF法は、将来のフリーキャッシュフロー(FCF)を予測し、それを現在価値に割り引くことで事業価値を算出する方法です。計算プロセスは複雑ですが、企業の将来性を最も反映できる評価手法です。 ここでは、架空のITサービス企業「A社」を例に、計算のステップを追っていきます。 【ステップ1】事業計画の策定

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